親の土地に家を建てるには?名義を変えず抵当権だけ設定した実体験と、先に取るべき同意

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親の土地に、注文住宅を建てました。土地の名義は親のまま変えず、抵当権だけ設定しています。この方法でいちばん重要だったのは、「土地を使っていいよ」ではなく「土地に抵当権を設定していいよ」までの同意を、最初に取っておくことでした。ここを曖昧にすると、住宅ローンの手続きで止まります。

この記事では、親の土地に子ども世帯が家を建てるときに実際に必要だったことを書きます。あわせて、駐車場・アパート経営・売却といった収益化の選択肢や、相続税・サブリースの注意点も出典付きで整理します。「使わせてもらう」と「収益化する」は、どちらも土地活用です。

はた夫はた夫
「とりあえず駐車場」って考えがちだけど、調べてみると選択肢はかなり幅広いんだよね。
らく子らく子
収益性だけじゃなくて、相続税やサブリースの落とし穴まで知っておかないと、あとで後悔しそう。

「塩漬け」の土地はコストだけがかかり続ける

何も活用せず所有しているだけの土地でも、固定資産税・都市計画税は毎年かかります。固定資産税は原則として固定資産税評価額(市場価格の6〜7割が目安)×1.4%で計算され、市街化区域内であれば都市計画税(評価額×上限0.3%)も加わります。草刈りや近隣対応などの維持コストも積み重なるため、「とりあえず放置」を続けるほど、活用した場合との差が広がっていきます。

まず確認したいのが土地の条件です。市区町村の窓口や都市計画課で用途地域を確認すると、その土地に建てられる建物の種類(住宅・アパート・店舗など)や規模の制限がわかり、現実的な選択肢を絞り込めます。

土地活用の主な選択肢と特徴

代表的な選択肢を、初期費用・収益性・リスク・手間の観点で比較すると次のようになります。

活用法 初期費用 収益性 リスク
月極・コインパーキング 低い(運営会社に貸す形なら実質ゼロのプランも) 低め 低い・撤退しやすい
戸建賃貸 中程度 中程度 中(空室リスクは1戸分に集中)
アパート・マンション経営 高い(多くはローン利用) 高いが変動しやすい 高い(空室・修繕・金利上昇)
売却 なし 一時金のみ 低いが将来の資産を手放す

駐車場は転用しやすく手軽に始められる一方、収益性は他の方法に比べて控えめです。アパート・マンション経営は高利回りが期待できる反面、建築費用の大半をローンでまかなうことが多くなります。空室リスク・修繕費・金利上昇までを長期で背負うことになる点は見落とせません。実質利回りを試算する際は、稼働率が70〜80%程度まで下がった場合も想定しておくことが実務上のポイントです。

相続税の視点:貸家建付地と小規模宅地等の特例

収益性だけでなく、相続税の評価にも目を向けておく価値があります。所有する土地にアパートなどの賃貸住宅を建てて人に貸すと、その土地は「貸家建付地」として評価され、更地のまま相続するより評価額が下がります(評価額から借地権割合×借家権割合に相当する分を差し引く計算)。

さらに要件を満たせば「小規模宅地等の特例」の「貸付事業用宅地等」に該当し、200㎡までの部分について評価額を50%減額できる場合があります。「収益を生みながら相続税評価も抑えられる」という考え方です。

【重要】2027年1月からのルール変更に注意:2026年度税制改正大綱により、相続開始前5年以内に取得・新築した貸付用不動産は、2027年1月1日以後の相続・贈与から評価方法が見直されます。購入時の価格をベースに地価変動などを考慮した価格の8割で評価する方式に変わり、これまでより節税効果が薄まる可能性があります。すでに5年以上保有している不動産は原則従来の評価方法が続く見通しですが、これから新たにアパートを建てて相続税対策をする場合は、このタイミングの影響を必ず確認してください。

ただし、相続税対策だけを目的に無理なローンを組んでアパートを建てると、空室で返済が苦しくなるケースも少なくありません。節税効果と事業リスクは必ずセットで考え、税理士やファイナンシャルプランナーなど専門家への相談を前提にするのが安全です。

「サブリース(家賃保証)」は保証内容を必ず契約書で確認する

アパート経営の提案では「サブリース(一括借り上げ)で家賃を保証します」という話がよく出てきます。空室でも一定の家賃収入がある安心感がある一方、契約書に「◯年家賃保証」とあっても、サブリース会社側から賃料の見直し(借賃増減請求権の行使)を求められる可能性がある点には注意が必要です。オーナー側から契約を簡単に解約できないケースもあります。

2020年施行の賃貸住宅管理業法により、サブリース業者には契約前の書面交付・重要事項説明(家賃見直しの可能性や解約条件を含む)が義務付けられています。国土交通省が公表する「特定賃貸借標準契約書」と、提示された契約書を照らし合わせて条件の違いを確認することが、リスク対策として有効です。

一括見積もりサービスを使うメリットと注意点

選択肢を絞り込んだら、複数の業者から提案を集めて比較するのが現実的な進め方です。「イエウール土地活用」「HOME4U土地活用」のような一括見積もりサービスは、一度の入力で複数社に同時相談できる点がメリットです。傾向として、イエウールは提携社数が幅広く、HOME4Uは大手ハウスメーカー中心という違いがあります。

提案を集める際は、対応社数を増やすことより、各社の30年程度の収支シミュレーション(家賃下落率・修繕費・空室率の想定を含むか)を比較することに重点を置くと、提案の質の差が見えやすくなります。営業連絡が負担にならないよう、事前に希望連絡時間帯を伝えておくとよいでしょう。

検討を進める前のチェックリスト

  • 土地の用途地域を市区町村の窓口で確認したか
  • 固定資産税・都市計画税など「何もしなくてもかかる費用」を試算したか
  • 初期費用・収益性・リスクの4〜5パターンを比較したか
  • 相続税評価の変化(貸家建付地・小規模宅地等の特例・2027年1月改正の対象になるか)を確認したか
  • サブリースを検討する場合、家賃見直し・解約条件を契約書で確認したか
  • 相続人が複数いる場合、方針を決める前に話し合いの場を設けたか

【実体験】親の土地の一角に、家を建てました

ここからは我が家が実際にやったことを書きます。土地活用というと駐車場やアパート経営の話になりがちですが、「子ども世帯が家を建てる」も立派な活用のひとつです。そして、これが意外と情報がありません。

どんな土地だったのか

親の土地の隣が空き地と、優先順位の低いカーポートになっていました。そこを使わせてもらって、我が家の注文住宅を建てています。

兄弟のあいだで揉めることはありませんでした。理由ははっきりしていて、同じタイミングで家を建てる兄弟が他にいなかったからです。ここは運の要素も大きいと思っています。

名義は変えていません。抵当権だけ設定しました

よく聞かれるところなので先に書きます。

土地の名義は親のまま、変えていません。抵当権だけ設定してもらいました。

贈与や名義変更はしていない、ということです。

🚨 いちばん重要:住宅ローンを組むなら「土地への抵当権」まで同意が要る

親の土地に建てるとき、多くの人が最初に思いつくのは「土地を使わせてもらう許可」だと思います。もちろんそれは大前提です。

でも、それだけでは足りません。

住宅ローンを組むなら、建物だけでなく土地にも抵当権が設定されます。つまり、返済できなくなったときに親の土地も担保として処分されるということです。

だから必要なのは、こうです。

「土地を使っていいよ」ではなく、「土地に抵当権を設定していいよ」までの同意。

ここを曖昧にしたまま進めると、金融機関の手続きの段階で止まります。最初に、この話までしておくべきです。

筆の形が悪かったので、合筆・分筆をして整理した

我が家にはもう一段、手続きがありました。

元の土地は筆の形が悪く、そのままでは余計なところまで抵当権が設定されてしまう状態でした。

そこで家の建築に合わせて合筆・分筆を行い、必要な範囲だけを切り出してから建てています。

これは親の土地を守るための手続きでもあります。家を建てる子ども世帯のためだけでなく、抵当権の及ぶ範囲を最小限にしておくという意味で、親側にとっても大事な整理でした。

「土地代0円」でも、初期費用はかかります

ここは誤解されやすいところです。土地を買わないぶん、土地取得費用は0円になります。我が家の資金計画書でも、土地取得関連費用の欄は全項目空欄でした。

ただしすでにある土地を使う以上、整備の費用はかかります。

  • 植栽の撤去
  • カーポートの撤去
  • 土地の高低差を埋める造成
  • 測量・分筆の費用

我が家の契約時の資金計画書では、この部分にこれだけ積まれていました。

項目 契約時の計上額
土地取得関連費用 0円(持ち土地のため)
測量・分筆費用(予算取り) 100万円
解体工事費用(造成工事含む) 70万円
地盤改良費用 70万円

※いずれも2023年8月の契約時点で計画書に計上された金額です。最終的な支払額ではありません。とくに測量・分筆は「予算取り」で、実際にはここまでかかりませんでした。

つまり土地代は浮いても、200万円前後の整備費は見ておく必要があるということです。「タダで土地がもらえるからその分安く建てられる」と単純に考えると、資金計画がずれます。

🔴 いちばん伝えたいこと:親世代の口出しは、なるべく聞かないほうがいい

最後に、お金の話ではないけれどいちばん現実的に効く話を書きます。

親の土地に建てる場合はなおのこと、家づくりにあたって親世代の口出しをなるべく聞かないようにするほうが、現実的にはよいと思います。

土地を使わせてもらっている以上、意見を言われると断りにくくなります。そこが、この方法のいちばんの難しさです。

ただ、1世代30年の年齢差があれば、価値観も常識も違って当たり前です。使いやすい間取りも必要な設備も、お金をかけるべき場所も、世代でまったく変わります。

だから我が家は、こう割り切りました。

あくまで自分たちが住むための家づくりにこだわる。

土地を使わせてもらう感謝と、家の中身を決める権利は、別のものだと考えています。ここを最初に線引きしておかないと、建てたあとに後悔が残るのは自分たちです。

親の土地に建てるときのチェックリスト

  • 土地を使う許可をもらう(大前提)
  • 土地への抵当権設定まで含めた同意をもらう(ここが本番)
  • 兄弟間で、いま同じタイミングで建てる予定がないかを確認する
  • 筆の形を確認する。必要なら合筆・分筆で、抵当権の及ぶ範囲を絞る
  • 撤去・造成・測量の費用を資金計画に入れる(土地代0円でも、ここはかかる)
  • 家の中身は自分たちで決めると、最初に線を引いておく

この判断のおかげで土地代が浮き、そのぶんを広さと時短設備に回せました。家づくり全体の予算をどう配分したかは住宅ローンとNISAはどっち優先?共働き夫婦の繰り上げ返済の判断軸【2026年】に、実際にかかった総額はアサヒグローバルホームの坪単価は約58万円に書いています。

よくある質問(FAQ)

Q. とりあえず駐車場にしておけば無難ですか?
A. 初期費用が低くリスクも小さいため始めやすい選択肢ですが、収益性は他の方法より控えめです。将来的に建物を建てる計画があるなら「転用しやすい」というメリットを活かした暫定活用として位置づけるとよいでしょう。

Q. アパート経営は相続税対策になりますか?
A. 貸家建付地としての評価減や小規模宅地等の特例により、更地のまま持つより評価額を抑えられる場合があります。ただし2027年1月からは相続開始前5年以内に取得した貸付用不動産の評価方法が変わるため、新たに始める場合はこの点を必ず確認してください。

Q. サブリースの家賃保証は信用していいですか?
A. 「保証」という言葉があっても、契約上は賃料の見直しや解約条件が定められているのが一般的です。国交省の標準契約書と照らし合わせ、見直し条件・解約条件を事前に確認することをおすすめします。

まとめ

土地活用は選択肢ごとに収益性もリスクも大きく異なります。何もせず「塩漬け」にしていても固定資産税・都市計画税は毎年発生するため、まずは土地の用途地域と選択肢ごとの特徴を整理することが第一歩です。相続税の評価が変わる仕組みや2027年1月の改正、サブリースの契約条件まで理解したうえで判断してください。複数社の提案を比較し、必要に応じて税理士など専門家に相談するのが安全です。

出典(2026年8月確認)

・土地活用の選択肢別の初期費用・利回り・リスクの考え方:HOME4U土地活用NTTル・パルク
・貸家建付地の評価減と小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等・200㎡上限50%減):HOME4U土地活用VS group
・2026年度税制改正大綱による貸付用不動産の相続税評価見直し(2027年1月1日以後の相続・贈与が対象、相続開始前5年以内取得分が対象):三井住友銀行VS group
・サブリース契約の家賃見直しリスクと賃貸住宅管理業法の説明義務、国交省の標準契約書:国土交通省消費者庁
※制度・税制は今後変更される可能性があります。実行前に必ず最新の公式情報・専門家の助言をご確認ください。


──以上、愛知県名古屋市の共働き夫婦・はた夫&らく子でした。それではまた、次の記事で!

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