「リビングはあと2畳広いほうがいいかな」「子ども部屋は6畳ほしいよね」——家づくりでも部屋探しでも、広さの話は「広いほうがうれしい」で終わりがちです。
でも、広さにはずっと払い続けるお金がついてきます。この記事では、1畳あたりいくら払っているのかを、賃貸の家賃と、家を建てるときの建築費・税金の両方から計算してみました。
先に結論を書きます。
- 賃貸なら、1畳に毎月いくら払っているかは「家賃÷部屋の畳数」で出せます。全国平均は約3,400円、東京23区は約6,100円、名古屋市は約3,300円です(2023年の国の統計から計算)。
- 家を建てるなら、2畳(約1坪)広げると建築費はおよそ100万円(全国平均の坪単価で計算)。さらに固定資産税・光熱費・掃除や修繕のコストが、住んでいるあいだずっと続きます。
- 一方、「広く感じる工夫」は一度払えば終わりで、金額もケタが違います(我が家の床材の工夫は74,500円)。
……と偉そうに書いていますが、我が家自身、平均より広い家を建てています。その反省も最後に正直に書きます。
はた夫
らく子賃貸の人へ:あなたは1畳に、毎月いくら払っていますか?
計算はかんたんです。
1畳あたりの家賃(月)= 家賃 ÷ 部屋の畳数の合計
部屋の畳数=居間・寝室・ダイニングなど、人が過ごす部屋の広さ。玄関・トイレ・浴室・廊下は数えません。
たとえば、家賃8万円の2LDK(LDK12畳+洋室6畳+洋室5畳=23畳)なら、80,000円÷23畳=1畳あたり約3,480円です。
地域ごとの平均も出しておきます。国の「住宅・土地統計調査」(2023年)の、借家の1か月あたり家賃を、1住宅あたりの部屋の畳数で割ったものです。
| 地域 | 1か月の家賃(平均) | 部屋の畳数(平均) | 1畳あたり(月) | 2畳ぶん(年) |
|---|---|---|---|---|
| 全国 | 59,656円 | 17.65畳 | 3,403円※ | 約8.2万円 |
| 東京都 | 87,118円 | 15.55畳 | 約5,600円 | 約13.4万円 |
| 東京23区 | 93,561円 | 15.24畳 | 約6,100円 | 約14.7万円 |
| 愛知県 | 55,175円 | 18.19畳 | 約3,000円 | 約7.3万円 |
| 名古屋市 | 59,168円 | 17.73畳 | 約3,300円 | 約8.0万円 |
※全国の3,403円は統計表に載っている1畳当たり家賃の公表値。ほかの地域は、家賃の平均÷畳数の平均で筆者が計算(全国で同じ計算をすると約3,380円で、公表値とほぼ一致)。借家(専用住宅)全体の平均で、公営住宅や社宅も含みます。民営借家(鉄筋など非木造)に絞ると、全国でも1畳当たり4,151円です。
全国平均でも、使っていない2畳があれば、毎月約6,800円・1年で約8万円・10年で約80万円。東京23区なら1年で約15万円です。
「物置になっている部屋」「ほとんど入らない和室」があるなら、その畳数にこの金額をかけてみてください。引っ越しのときに1部屋少ない間取りを選ぶだけで、家賃がまるごと変わることもあります。
家を建てる人へ:2畳広げると、何にいくらかかるか
持ち家の場合、広さのコストは「建てるときの一回」では終わりません。
| コスト | 広さを増やすと | 目安 |
|---|---|---|
| 建築費 | 面積ぶん増える | 2畳=約1坪。全国平均は坪あたり約110万円 |
| 固定資産税 | 毎年増える | 新築の減額(2分の1)は120㎡までの部分だけ |
| 冷暖房の光熱費 | 毎月増える | 空気の量(容積)が増えるほど負荷が上がる |
| 掃除・修繕 | ずっと増える | 床やクロスの張り替えも面積に比例 |
建築費:住宅金融支援機構の2024年度フラット35利用者調査では、注文住宅の建設費は全国平均3,936万円・住宅面積118.5㎡。坪あたりに直すと約110万円です。坪単価100万円なら、2畳広げるだけでおよそ100万円(厳密には、キッチンや浴室のように面積に比例しない費用もあるため、広げた分の単価は平均の坪単価より安くなることが多いですが、それでも数十万円単位です)。家づくりの打ち合わせでは数十万〜百万円単位の話が続くので感覚が麻痺しがちですが、100万円は、普段の生活で考えればとても大きなお金です。
固定資産税:家屋の固定資産税は床面積が増えるほど上がります。しかも新築住宅の減額(2分の1)は120㎡までの部分にしか効かないため、120㎡を超えて広げた部分は、減額期間中から満額でかかります(くわしくは固定資産税はいくら払う?新築住宅の減税措置と名古屋市の納期を出典付きで解説)。
光熱費と、掃除・修繕:部屋が広いほどエアコンの負荷が上がり、掃除する面積も、将来張り替える床やクロスの面積も増えます。
4つのコストの考え方は、オープンキッチンで開放感を出す工夫|19.5畳のリビングを広く見せた10のことの中でも、我が家の固定資産税の実額を使って詳しく書いています。
「広く感じる工夫」は、一度払えば終わり
広さを買う代わりに、我が家がLDK(19.5畳)でやったのは「広く感じさせる」ことでした。かかったお金はこのくらいです。
| やったこと | 費用 |
|---|---|
| フロアタイルをキッチンから脱衣所まで、ぶち抜きでそろえた | 61,800円 |
| 床の境目の見切り材を、目立たないステンレスにした(オプション) | 12,700円 |
| 壁掛けテレビ用の壁の補強(テレビボードを置かないため) | 5,700円 |
| 天井高260cmを確保(換気ダクトで下がりかけたのを、打ち合わせで粘った) | 標準仕様のまま |
| 背の高い家具を置かない・リビングテーブルを置かない | むしろ買わずに済んだ |
2畳広げる約100万円と比べると、ケタが1つ違います。しかも、固定資産税も光熱費も増えません(吹き抜けや勾配天井のように空気の量が増える工夫は別です)。それぞれの工夫は開放感の記事で写真つきで紹介しています。
はた夫【正直に書きます】我が家も、平均より約22㎡広い家を建てました
ここまで「広さはお金がかかる」と書いてきましたが、我が家はあまり人のことを言えません。
我が家の延床面積は約140㎡。注文住宅の全国平均(118.5㎡)より約22㎡、畳にしておよそ13畳ぶん広い家です。広めに取った場所を挙げると、こうなります。
- 2階のホール:10畳
- 子ども部屋:6畳×2部屋
- ランドリールーム:4畳
それぞれの使い方と振り返りは、「子ども部屋は6畳で正解だった?4.5畳と比べた施主の実例」と「ランドリールームは何畳必要?4畳にした施主の結論は「3畳でもよかった」」に書きました。
どれも、住んでみて満足はしています。2階のホールは、部屋にしなかったぶん使い方を後から決められる「余白」になっていますし(間取りで後悔したこと・やってよかったこと)、ランドリールームのおかげで洗濯物がリビングに出てきません(ランドリールームは何畳必要?)。
それでも正直に言うと、少し削ることはできたかなぁ、とも思っています。理由は2つあります。
- 建てる前に、どのくらいの広さが必要かを正確に予測するのは難しい。住む前は「足りなかったら困る」が先に立ち、広めに取りたくなります。
- 総2階(1階と2階をほぼ同じ形・面積に積む、効率のいい建て方)を優先した。総2階は1階と2階をほぼ同じ面積にするので、1階に必要な広さに合わせて2階の面積も決まりやすくなります。結果として、家が少し大きくなった面もあります。総二階にした理由は「総二階にして後悔した?よかった?ベランダなしで2年住んだ施主の本音」に書きました。
140㎡なので、新築の固定資産税の減額が効かない120㎡超の部分も、我が家にはあります。広さのコストを、いちばん実感しているのは我が家自身かもしれません。
らく子広さを決める前に、1部屋ずつ確認したいこと
建てる前に正確に予測するのは難しい——という我が家の反省から、間取りや部屋を決める前に確認しておきたいことをまとめました。
- その部屋(スペース)を、何に・週に何回使うか言えるか
- 「足りないと困る」ではなく、今の暮らしで実際に何畳使っているかで考えたか(今の家の部屋を測ってみる)
- 賃貸なら:使っていない畳数 × 1畳あたりの家賃を、月と年で計算したか
- 建てるなら:増やす畳数 ÷ 2 × 坪単価(建築費の目安)を計算したか
- 延床が120㎡を超えるか(超えた部分は新築の固定資産税の減額が効かない)
- 総2階にする場合、2階の面積が1階に引っ張られて増えていないか
- 広さで解決するしかないか、視線の抜け・床材・家具の高さなど「広く感じる工夫」で解決できないか
よくある質問(FAQ)
Q1. 1畳あたりの家賃は、どの広さで割ればいいですか?
居間・寝室・ダイニングなど、人が過ごす部屋の畳数の合計で割ります。玄関・トイレ・浴室・廊下は含めません。国の統計(住宅・土地統計調査)の「居住室の畳数」もこの考え方です。間取り図に㎡しか書いていない場合は、㎡÷1.62でおおよその畳数になります。
Q2. 注文住宅の広さは、平均でどのくらいですか?
住宅金融支援機構の2024年度フラット35利用者調査では、注文住宅の住宅面積の全国平均は118.5㎡(約36坪)です。我が家の約140㎡は、これより約22㎡広くなります。
Q3. 広さを増やさずに広く感じさせるには、何から始めればいいですか?
我が家で費用のわりに一番効いたのは、床材を部屋ごとに切り替えずにそろえることと、背の高い家具を置かないことでした。具体的な10の工夫はオープンキッチンで開放感を出す工夫|19.5畳のリビングを広く見せた10のことにまとめています。
まとめ:広さは「買ったあとも払い続ける」もの
- 賃貸なら、家賃÷部屋の畳数で1畳の月額が出る。全国平均で約3,400円、東京23区で約6,100円、名古屋市で約3,300円
- 建てるなら、2畳でおよそ100万円。さらに固定資産税・光熱費・掃除や修繕が毎年続く
- 「広く感じる工夫」は一度払えば終わりで、金額もケタが違う
- 我が家も平均より約22㎡広い。満足はしているが、少し削ることはできたかもしれない。建てる前の予測は難しいからこそ、上のチェックリストで1部屋ずつ確かめるのがおすすめ
広い家が悪いわけではありません。ただ、広さには毎月・毎年の値札がついている——そのことを知ったうえで決めるのが、いちばん後悔しにくいと思います。
出典
- 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」住宅及び世帯に関する基本集計:表112-2-2(借家の1か月当たり家賃)、表120-2(借家の1住宅当たり居住室の畳数)、表121-1-2(1畳当たり家賃・全国)。2026年10月確認。地域別の1畳あたり家賃は、家賃の平均÷畳数の平均で筆者が計算
- 住宅金融支援機構「2024年度 フラット35利用者調査」(注文住宅の所要資金3,936万円・住宅面積118.5㎡)。2026年10月確認。坪あたり約110万円は筆者が計算(1坪=約3.3㎡)
- 国土交通省「新築住宅に係る税額の減額措置」、各市の固定資産税の案内(減額は120㎡相当分まで)。2026年10月確認
──以上、愛知県名古屋市の共働き夫婦・はた夫&らく子でした。

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