注文住宅のオプションというと、キッチンや浴室のような数十万円の話になりがちです。でも2年住んでみていちばん「やっておいてよかった」と感じているのは、2万円前後の小さなオプションでした。結論から書くと、効いたのは上吊り引き戸(22,800円)・パントリーのマグネット壁(21,900円)・可動棚の入れ替えの3つでした。逆に予算取りまでした玄関の造作椅子(−30,000円)は削っています。すべて内訳明細書の実額つきで公開します。
らく子
はた夫結論|2万円前後のオプションが、いちばん毎日効いている
| オプション | 実額(税抜) | 2年後の評価 |
|---|---|---|
| 上吊り引き戸 4本 | 22,800円(1本5,700円) | ⭕ 掃除がラク・すっきり |
| マグネット対応Feボード(パントリー壁面) | 21,900円 | ⭕ プリント置き場として活躍 |
| 可動棚の入れ替え(4段D300 → 3段D450) | −23,200円 → +25,700円 | ⭕ 場所ごとに奥行きを変えて正解 |
| 玄関の造作椅子(予算取り) | −30,000円 | ❌ 削って正解 |
我が家の判断軸は、家じゅうで一貫しています。
基本はシンプル。だけど、時短につながるもの・ラクになるものには多少の課金はする。
この記事の3つは、すべて「毎日の手間」か「毎日目に入るもの」に効くオプションでした。
① 上吊り引き戸 4本・22,800円|床のレールがなくなる
我が家は引き戸になる部分をすべて上吊りにしました。1本5,700円 × 4本で22,800円です。
上吊りにすると、床にレールがなくなります。これが想像以上に効きました。
- 掃除がラク。レールの溝にホコリやゴミがたまらないので、床をそのまま拭けます
- 見た目がすっきりする。床が途切れないぶん、空間が広く見えます
2年住んで、掃除のラクさは毎日はっきり実感しています。

正直なデメリット
上吊りは今後の耐久性が少し弱いという話は聞いています。戸の重さを上のレールだけで支える構造だからです。
ただし2年経った時点では、まったく感じていません。長期的にどうなるかは、今後また書きます。
1本5,700円で、床のレール掃除が家じゅうから消えると考えると、やっておいてよかったオプションです。
② パントリーのマグネット壁・21,900円|プリントの置き場所問題を解決
【PT】マグネット対応Feボード、21,900円。パントリーの壁面をマグネットが付く仕様にしたものです。
なぜ入れたのか
理由は、子どもが学校や保育園からもらってくるプリントの置き場所でした。
いちばん手軽なのは冷蔵庫に貼ることです。でも冷蔵庫にいっぱい貼るとごちゃごちゃして、意匠性も下がります。せっかく整えた空間が台無しになるのは避けたかった。
そこで少し奥まったパントリーの壁面に設置しました。リビングからは見えない位置です。
2年使ってどうか
子どもはまだ保育園ですが、給食カレンダー・イベント表・ゴミ捨てのカレンダーなどを貼って活用しています。
いい場所に設置できたと思っています。生活に必要な情報はすぐ見られて、しかもリビングからは見えない。この両立ができました。

おまけ:最近の冷蔵庫は、そもそも磁石が付かない
これは去年、冷蔵庫を買い替えるまで知りませんでした。
最近のおしゃれな冷蔵庫は、表面に磁石が付かない商品も多いのです。鉄ではなくガラスでできているタイプなどがあります。
つまり「プリントは冷蔵庫に貼ればいい」という前提が、そもそも崩れることがあるということです。デザイン重視の冷蔵庫を選ぶ予定があるなら、貼れる壁を別に用意しておく価値は上がります。
はた夫③ 可動棚は「場所ごとに奥行きを変える」が正解だった
可動棚は、標準から4段D300(奥行き30cm)を落として、3段D450(奥行き45cm)に入れ替えました。金額は−23,200円 → +25,700円です。
ポイントは、全部を同じ奥行きにしなかったことです。
| 場所 | 選んだ奥行き | 理由 |
|---|---|---|
| リビング収納・パントリー・脱衣室 | D300(浅い) | 日ごろ使うものが多く、浅いほうが使いやすい |
| 階段下収納 | D450(深い) | 奥行きがあり、大物を入れることが想定された |

よく使う場所を深くすると、奥のものが取り出せなくなって死蔵スペースになります。逆に、大物をしまう前提の場所を浅くすると、そもそも入りません。収納計画全体の考え方は注文住宅の収納計画|140平米でもすっきり暮らすための設計思想に、後悔した点は注文住宅の収納計画、後悔した5つのこと【共働き夫婦が入居1年後に振り返る】にまとめています。
「何を入れるか」が決まっている場所ほど、奥行きは変えるべきだと思っています。
逆に、予算取りまでして削った「玄関の造作椅子」−30,000円
ここは削った話です。
内訳明細書には【玄関ホール】玄関椅子 予算取り −30,000円という行が残っています。契約前の段階で3万円を予算取りしてもらっていたものを、最終的に削ったということです。
なぜ付けようとしたのか
親が隣に住んでいるため、遊びに来ることを想定していました。玄関での靴の着脱がしやすいように、造作の椅子を作ろうと考えたのです。
なぜやめたのか
理由は2つでした。
- 使用頻度。毎日使うものではない
- 場所。玄関ホールのスペースを常時占有してしまう
そして最終的な決め手が、これです。
椅子なら、買ったものを使うほうが状況の変化に対応しやすい。
造作は、作った瞬間に位置も形も固定されます。でも家族構成や来客の頻度、必要な高さは10年で変わります。「後から動かせるもの」は、造作にしないほうがいい——これが我が家の出した結論でした。
小さなオプションを選ぶときの3つの基準
今回の4つを振り返ると、判断はこの3点に集約できます。
- 毎日の手間が減るか。上吊り引き戸は、床のレール掃除が家じゅうから消えました
- 後から追加できないか。マグネット壁も上吊りも、あとから足すのは大がかりです。逆に椅子は、いつでも買えます
- 入れるものが決まっているか。可動棚の奥行きは、用途が決まっている場所ほど変える価値があります
「後から動かせる/買えるものは造作にしない。後から足せないものにお金を使う。」これが、いちばん外れにくい基準だと感じています。
正直に書く、この選び方の弱点
- 上吊りの耐久性は、まだ結論が出せない。2年では判断できません。10年後に評価が変わる可能性はあります
- マグネット壁は「貼るものがある家庭」向け。紙をあまり持たない家庭には効きません
- 可動棚の奥行きは、入れるものが決まっていないと判断できない。設計段階で収納の中身まで詰められていないと、この選択はできません
- 金額はハウスメーカーと時期で変わる。我が家の2023年12月時点の内訳明細書の数字です(注文住宅のオプション費用を全公開|実際に採用したものと満足度レビュー)
よくある質問
Q. 上吊り引き戸のメリットとデメリットは?
A. メリットは床にレールがなくなることです。溝にゴミがたまらず掃除がラクで、床が途切れないので見た目もすっきりします。デメリットとして耐久性が少し弱いという話は聞きますが、我が家は2年時点でまったく感じていません。費用は1本5,700円でした。
Q. 新築でマグネットが付く壁は必要?
A. プリントやカレンダーを貼る家庭なら価値があります。我が家は21,900円でパントリーの壁面に入れました。冷蔵庫に貼るとごちゃごちゃするのを避けられます。さらに最近のおしゃれな冷蔵庫は表面に磁石が付かない商品も多いので、貼れる壁を別に用意しておく意味は増えています。
Q. マグネット壁はどこに付けるのがいい?
A. 我が家は少し奥まったパントリーの壁面にしました。リビングからは見えないのに、生活動線からはすぐ見られる位置です。見せたくないけれど毎日確認したいもの、という性質に合っています。
Q. 可動棚の奥行きは何cmがいい?
A. 場所によって変えるのがおすすめです。我が家は日ごろ使うものが多いリビング収納・パントリー・脱衣室はD300(浅い)、大物を入れる想定の階段下収納はD450(深い)にしました。よく使う場所を深くすると、奥が死蔵スペースになります。
Q. 造作家具は作ったほうがいい?
A. 後から動かせる・買えるものは、造作にしないほうがいいと考えています。我が家は玄関の造作椅子を3万円で予算取りしていましたが、最終的に削りました。椅子なら買ったものを使うほうが、状況の変化に対応しやすいと判断したためです。
まとめ
- 上吊り引き戸 4本・22,800円(1本5,700円)。床のレールが消えて掃除がラク。2年時点で耐久性の不安は感じていない
- パントリーのマグネット壁・21,900円。プリント置き場として活躍。最近の冷蔵庫は磁石が付かないものも多い
- 可動棚は場所ごとに奥行きを変える。よく使う場所はD300、大物用はD450
- 玄関の造作椅子は予算取り3万円を削った。後から買えるものは造作にしない
- 基準は「後から動かせる/買えるものは造作にしない。後から足せないものにお金を使う」
オプションの打ち合わせでは、どうしても金額の大きいものに時間を取られます。ただ2年住んでいちばん毎日効いているのは、2万円前後のほうでした。
金額と満足度は、思っているほど比例しません。
同じように「金額の大きいオプションを切った」話は浴室オプションはどこまで付ける?25万円の自動洗浄を切って床だけ残した実額に、照明の実額は注文住宅の照明費用は実際いくら?定価42万円が23.8万円になった全内訳に書きました。建物全体の金額はアサヒグローバルホームの坪単価は約58万円|契約書の実額と総額3,300万円の内訳を施主が公開にまとめています。
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