「広い家に引っ越したら、かえって物が増えて散らかる」——これは多くの家庭が経験することです。我が家も140平米の3LDKに住んでいますが、収納設計を間違えるとすぐに物があふれます。注文住宅を建てるときに意識した収納計画と、2年住んで分かった成功・失敗を、共働き・子育て目線で正直にまとめます。
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はた夫
らく子先に結論です。我が家の収納の設計思想は「収納を増やす」ではなく「物を増やさない仕組みをつくる」でした。そして大事なのは量ではなく「使う場所のすぐ近くにあるか」。140平米でも、ここを外すと物はあふれます。
収納設計の基本思想
実際に入れた収納まわりのオプションと実額は新築で効いた2万円のオプション3つ|上吊り引き戸・マグネット壁・可動棚の実額にまとめています。
「収納を増やす」より「物を減らす仕組みをつくる」
私たちが設計段階で意識したのは「物を増やさない習慣を支える家」です。収納をやみくもに増やすと、人はその分だけ物を溜め込みます。「使わないものは持たない」という考え方を設計に組み込むことで、広い家でもすっきりを維持しやすくなります。
とはいえ、必要な物の定位置がないと結局リビングに物があふれます。大事なのは「量」ではなく「使う場所のすぐ近くに、適切な形で収納がある」こと。この視点で家全体の収納を設計しました。
「見せる収納」より「隠す収納」
共働きで毎日整理整頓に時間をかけられないなら、「片付けなくても散らかって見えない」設計の方が現実的です。おしゃれな見せる収納に憧れもしましたが、現実は生活感が出てしまうもの。扉のある収納・クローゼット・パントリーを積極的に設け、来客時もサッと隠せる家にしました。これが共働きには本当に正解でした。
賃貸で「1.5畳のWIC」に住んだことが、収納の考え方を変えました
収納の設計思想と書きましたが、もとになっているのは賃貸時代の経験です。とくに大きかったのが、初めてウォークインクローゼットのある部屋(軽量鉄骨のシャーメゾン)に住んだときでした。
広さは1.5畳。ハンガーパイプはL字型で、中段があり、その上にさらに上段がある造りでした。服だけでなく物置的なものも兼ねられるのが便利で、収納は「量」より「形」で使い勝手が決まるのだと実感しました。
そしてもうひとつ気づいたのが、「ここなら、最悪は着替えもできる」ということでした。1.5畳あれば、服を選んでその場で着替えるくらいのことはできる。収納は、物を置く場所であると同時に、人が入って作業する場所でもある——この視点は、実際に住むまで持っていませんでした。
だから今の家では、1階にもクローゼットを置きました
この経験があったので、家を建てるときは1階にもウォークインクローゼットを設けました。理由は「最悪ここで着替えられるから」です。
もうひとつ、将来を見越した理由もあります。我が家には娘がいます。今はまだ小さいですが、成長すれば「人目を気にせず着替えられる場所」が必要になるはずです。子ども部屋ができるまでの間も、1階に着替えられる場所があるのとないのとでは違うだろうと考えました。収納は、今の持ち物の量だけで決めると、あとで足りなくなると思っています。
収納を「3つに分ける」か「1つに集約する」か
今の家は、ファミリークローゼット・ウォークインクローゼット・納戸を、それぞれ別に設けています。役割を分けたぶん、ひとつひとつはシンプルです。
実は、賃貸で便利だった「中段+上段」の構造は、今の家のファミリークローゼットには入れていません。納戸を別に持っているので、物置的な役割をクローゼットに兼ねさせる必要がなかったからです。
ここが分かれ道だと思っています。
- 収納を1か所に集約するなら、中段や上段のように棚として使える構造があると強い。服も物も1か所で引き受けることになるので
- 収納を役割ごとに分けられるなら、クローゼットはハンガーパイプ中心のシンプルな造りでよい
賃貸の1.5畳が便利だったのは、そこしか収納がなかったからとも言えます。良い収納の形は、家全体の収納配置とセットで決まるということです。「あの家のあれが便利だったから」とそのまま持ち込むのではなく、自分の家では何をどこに預けるのかを決めてから、形を選ぶのがよいと思います。
場所別の収納設計と2年後の本音
玄関・シューズクローク
設計時のポイントは次の通りです。
- シューズクロークは「ひとり分の面積×家族人数×1.5倍」を目安に
- コート・アウターをかけられるハンガーポールを設置
- ベビーカー・外遊び用品のスペースを最初から確保
2年後の反省:子どもが生まれてからの収納需要の増加を過小評価していました。三輪車、外遊びグッズ、保育園用品…子ども関連の「外で使う物」は想像以上に増えます。子どものいる家庭は、玄関収納を「これで十分」と思う量の1.5倍は見ておくことを強くおすすめします。
ウォークインクローゼット(主寝室)
主寝室に設けた約4畳のウォークインクローゼットは、2年経った今も大満足の設備です。
- 両サイドにハンガーポール(夫婦それぞれのゾーン)
- 棚板を可動式にして用途変更できるように
- 奥に季節物・スーツケースを置くスペースを確保
夫婦それぞれの衣類ゾーンをはっきり分けたことで、「どこに何があるかわからない」「相手の物が侵食してくる」というプチストレスがありません。朝の身支度の動線もスムーズで、共働きの忙しい朝には地味に効いています。
パントリー(キッチン横)
食材・調理器具・家電の予備品をまとめて収納するパントリーは、キッチンの使い勝手を大きく左右します。我が家はキッチン横に約1.5畳を確保しました。
- 固定棚と可動棚を組み合わせて高さを自由に
- ネットスーパーのまとめ買い品・ふるさと納税の返礼品のストックに活用
- 下段はセカンド冷凍庫とローリングストックの飲料水置き場に
大量購入・まとめ買いができるので、買い物頻度を下げられます。共働きの食材管理の仕組み化(ネットスーパー+冷凍保存)とパントリーはセットで機能する、相性抜群の組み合わせでした。
洗面所・脱衣スペース
洗面所の収納は、設計時に過小評価しがちな場所です。我が家も洗面台下の収納だけでは家族3人分のアメニティが収まりきらず、後から棚を追加しました。最初から造り付けの棚があればよかった、というのが正直な反省です。
これから建てる方へのアドバイスは2つ。洗面台まわりに造り付けの棚を設けること、そしてタオルや下着の収納を洗面所内に確保すること。洗濯物を乾燥機から出してその場でしまえる動線にすると、家事が驚くほど楽になります。
子ども部屋の収納
3歳の今はまだ本格的に使っていませんが、将来を見越して可変性のある収納にしました。
- 奥行き60cm以上のクローゼット(将来の衣類量に対応)
- 可動棚で高さを変えられる設計
- 将来の本棚・学習デスク配置を考慮した壁面設計
「見せる収納」は、我が家では使いこなせませんでした
収納の記事では「見せる収納」がよく勧められます。おしゃれだし、出し入れもしやすい。理屈としては分かります。
ただ、正直に書きます。家を建てる前に住んでいた賃貸には、見せる収納にあたる設備が付いていました。そして我が家は、それをうまく使いこなせませんでした。
理由はシンプルで、常にきれいに保たないと成立しないからです。中身が見えるということは、散らかっている状態も見えるということ。共働きで、平日は片づけに時間を割けません。結果として、見えている場所が一番先に散らかりました。
そこで出した結論が、「我が家の生活には不要。管理が難しい」でした。センスや意識の問題ではなく、維持にかかる手間を払い続けられるかどうかの問題だと思っています。
だから今の家は「隠せる収納」を、あらゆる場所に作りました
前の賃貸で困ったことがもうひとつあります。単純に収納が足りていませんでした。だから今の家では、あらゆるところに収納を作る方針にしました。見せることは狙わず、とにかく「しまえる場所」を 増やすほうに振り切っています。
この判断には、はっきりした基準があります。
- 片づけが得意で、それを楽しめる人 → 見せる収納は生活を豊かにする
- 平日に片づけの時間を取れない人 → 扉一枚で隠せることのほうが、毎日効く
我が家は後者でした。ずぼらでも成立する収納を選んだ、というだけの話です。おしゃれな収納を否定したいわけではありません。ただ、「憧れの収納」と「自分が維持できる収納」は分けて考えたほうがいいと、実際に失敗してみて思いました。
2年住んで分かった「後悔した収納ワースト3」
正直に、設計を後悔している収納を順位づけしてみました。これから建てる方の反面教師にしてください。
- 1位:玄関収納が手狭。前述の通り、子ども用品の増加を読みきれませんでした。最大の後悔ポイントです。
- 2位:洗面所の収納不足。家族3人分のストックと着替えを置くには足りず、後付け棚で対応しています。
- 3位:階段下を活かしきれなかった。デッドスペースになりがちな階段下を、もっと計画的に収納にすればよかったと感じます。掃除機やストック品置き場に最適な場所でした。
収納量の目安と動線の考え方
一般的な目安として「収納面積は居住面積の10〜15%」と言われます。140平米なら14〜21平米が理想で、我が家もおおむねこの範囲で設計しました。ただ、2年暮らして思うのは、量そのものより「使う場所のそばにあるか」がずっと重要だということ。同じ収納量でも、動線上に配置されているかどうかで使い勝手はまるで変わります。
収納を考えるコツは、「物」ではなく「行動」を起点にすること。帰宅したらどこで上着を脱ぐか、洗濯物をどこで畳んでどこにしまうか——その動きをイメージして、その場所に収納を置く。これだけで「片付けやすい家」に近づきます。
共働き家庭に効いた収納アイデア
1. 「一時置き場」を作る
帰宅後のカバン・上着など、すぐに片付けられないものの「一時置き場」を設計段階で作っておくと、リビングが散らかりません。我が家は玄関近くにファミリークローク的なスペースを設け、ここが大活躍しています。
2. ランドリー動線上に収納を集約
洗濯→乾燥→畳む→しまうの動線をできるだけ短くまとめると、衣類管理が劇的に効率化します。脱衣所・ランドリースペース・収納を近接させるのがポイントです。
3. アウトドア・趣味用品は玄関土間に
自転車・ベビーカー・キャンプ用品など、外で使う物は玄関土間収納にまとめると出し入れがスムーズ。室内に持ち込まないので、家の中もきれいに保てます。
収納と一緒に考えたい「コンセント計画」
意外と見落としがちなのが、収納内のコンセントです。我が家が「付けておいてよかった」と感じているのは、パントリーとファミリークローク内のコンセントでした。
パントリー内のコンセントは、セカンド冷凍庫や充電式掃除機の充電基地に大活躍。クローク内のコンセントは、コードレス掃除機・電動自転車のバッテリー・モバイル機器の充電にちょうどよく、「充電しながら隠しておける」のが地味に便利です。逆に、ロボット掃除機のドック用コンセントを目立つ場所にしか作れず、生活感が出てしまったのは小さな後悔。収納を設計するときは、「ここで何を充電・保管するか」までイメージして、収納内・収納脇のコンセントもセットで計画することをおすすめします。図面ができたら、家電の定位置を一つひとつ書き込んでみると、必要なコンセントの位置が見えてきます。
📚 用途を固定しない空間の作り方については「グランドピアノを置く前提で注文住宅を建てた|床補強・2階へのクレーン搬入・間取りで確認したこと」にまとめています。
📚 収納の考え方が変わっていった経緯は「8回引っ越して分かった、住まい選びで本当に効くこと|賃貸7軒の不満が注文住宅の仕様になるまで」にまとめています。
まとめ
収納設計は「収納量を確保する」だけでなく、「使いやすい場所に・使いやすい形で」設けることが何より重要です。特に共働き家庭では、「散らかりにくい仕組み」を設計に組み込むことが、毎日の片付け時間を最小化する鍵になります。
設計士との打ち合わせでは、実際の生活動線(毎日どこで何をするか)をできるだけ具体的に伝えてください。「玄関で上着を脱ぐ」「洗面所で着替える」といった日常の動きを言語化するほど、使いやすい収納設計につながります。我が家の後悔も、突き詰めれば「2年後・5年後の生活の変化を想像しきれなかった」ことが原因でした。これから建てる方は、ぜひ未来の暮らしまで見据えて収納を考えてみてください。
収納設計の実例を比較したい方へ
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──以上、愛知県名古屋市の共働き夫婦・はた夫&らく子でした。それではまた、次の記事で!

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