住宅購入で保険を見直すなら?団信・傷病手当金・高額療養費制度でわかる必要保障額【共働き夫婦向け・出典付き】

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はじめに

「家を買ったら保険を見直したほうがいい」——そんな話を聞いたことがある人は多いと思います。理由はシンプルで、住宅ローンを組むとほぼ自動的に加入する団体信用生命保険(団信)が、実質的に大きな死亡保障の役割を果たすからです。すでに入っている民間の生命保険と保障が重複しているケースは珍しくありません。

この記事では、共働き夫婦が住宅購入のタイミングで保険を見直すときに押さえておきたいポイントを、公的データと制度の出典付きで整理します。「うちはいくら払っていた」という一世帯の体験談ではなく、誰の家計にも当てはまる判断材料として読んでもらえるようにまとめました。

らく子らく子
団信があると保障が重複するって、言われてみればそうだよね。住宅ローン組むときちゃんと確認しないと。
はた夫はた夫
公的保障を知らずに民間保険を選ぶと払いすぎになりがち、ってデータを見ると納得だよ。順番に整理していこう。

団信で死亡保障はどこまでカバーされるのか

団体信用生命保険(団信)の仕組み

住宅ローンを利用する際、多くの金融機関で加入が必須となっているのが団信です。契約者(多くの場合は名義人)が死亡または高度障害状態になった場合に、住宅ローンの残債が保険金で完済される仕組みで、住宅金融支援機構や各銀行が制度概要を公開しています。

たとえば残債3,000万円の住宅ローンを組んでいる人が団信に加入していれば、名義人に万一のことがあった場合、遺族は住居費の負担なく住み続けられる計算になります。これは民間の生命保険でいう「残債と同額の死亡保障」を、ローンの一部としてすでに持っている状態に近いといえます。

ここが見直しの出発点です。団信の保障額(=ローン残債)を把握したうえで、既存の民間保険の死亡保障額と照らし合わせると、重複している部分が見えてきます。

【出典データ】世帯はどれくらい保険料を払っているのか

生命保険文化センター調査:年間払込保険料の平均

公益財団法人 生命保険文化センターが実施した「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」によると、生命保険・個人年金保険の加入世帯が年間に支払う保険料(一時払を除く)の平均は17.1万円(月額換算で約1.4万円)です。別の調査(2024年度)では、2人以上世帯の年間払込保険料の平均は35.3万円という数字も出ています。

調査 年間払込保険料の平均 月額換算
生命保険文化センター 2025年度調査(加入世帯ベース) 17.1万円 約1.4万円
生命保険文化センター 2024年度調査(2人以上世帯ベース) 35.3万円 約2.9万円

集計対象の違いで数字に幅がありますが、「気づかないうちに月1万円台後半〜3万円近くを保険料に払っている世帯が一般的」というのが実態です。まずは自分の家計の保険料が全国平均と比べて高いのか低いのかを、直近の請求明細やマイページで確認してみるのが最初の一歩になります。

らく子らく子
平均で月1万円台後半〜3万円近くって、意外と幅があるのね。うちは平均より多いか少ないか、一回明細を見直したくなる数字。

公的保障を先に知っておく:傷病手当金・高額療養費制度

会社員をカバーする「傷病手当金」

会社員(健康保険の被保険者)が病気やケガで働けなくなった場合、全国健康保険協会(協会けんぽ)などから傷病手当金が支給されます。支給額の目安は給与のおよそ3分の2、支給期間は支給開始日から通算で最長1年6ヶ月です。共働き世帯であれば、夫婦とも会社員である限り、短期〜中期の就業不能はこの制度で一定水準カバーされることになります。

医療費の自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」

医療費が高額になった場合、年齢と所得に応じて1ヶ月の自己負担額に上限を設ける制度です。厚生労働省の資料によると、69歳以下・年収約370万〜約770万円の区分(区分ウ)では、自己負担限度額は「80,100円+(医療費−267,000円)×1%」で計算され、医療費100万円のケースでは月額の自己負担はおよそ8万7,000円程度が上限になります(多数回該当の場合は4万4,400円まで下がります)。

注意点: この上限額は2026年8月の診療分から段階的に引き上げられる予定です。年収約370万〜770万円の区分では月額上限が約5,700円増える見込みと報じられています。制度を前提に保障額を決める場合は、最新の上限額を確認したうえで判断することをおすすめします。

年収区分(69歳以下) 現行の自己負担上限(月額目安・2026年7月診療分まで) 2026年8月以降の変更
約370万〜約770万円(区分ウ) 80,100円+1%(医療費100万円なら約8.7万円) 約5,700円増の見込み
約770万〜約1,160万円 167,400円+1% 約11,700円増の見込み
約1,160万円以上 252,600円+1% 約17,700円増の見込み

傷病手当金と高額療養費制度をあわせて考えると、「会社員の共働き夫婦」は、収入減リスクと医療費リスクの両方について、実は公的保障だけである程度守られています。民間の医療保険やがん保険を検討する際は、この公的保障を差し引いた「本当に足りない部分」だけをカバーする設計にすると、保険料の払いすぎを防ぎやすくなります。

共働き夫婦の死亡保障はどう考えるか

遺族厚生年金という選択肢

会社員(厚生年金加入者)が死亡した場合、条件を満たす配偶者には遺族厚生年金が支給されます。金額は亡くなった人の平均標準報酬額と厚生年金の加入期間によって決まる計算式で算出され、日本年金機構が制度の詳細を公開しています。あわせて、共働きであれば残された側にも収入があるため、「死亡保障で生活費全額をカバーする」という前提そのものを見直せる余地があります。

なお、2028年4月からは子どものいない30代以下の配偶者に対する遺族厚生年金の支給期間が原則5年間に統一される制度改正が予定されており(その5年間は給付水準が引き上げられる設計)、将来的に受け取れる保障の形が変わる可能性がある点は押さえておきたいところです。

必要保障額を考える3つの要素

  • 団信でカバーされる住居費:住宅ローンの残債分は団信で実質ゼロになる
  • 遺族年金・配偶者の収入:共働きなら片方の収入が残ることを織り込める
  • 教育費など将来の固定費:子どもの人数・年齢によって上乗せが必要な部分

この3つを並べたうえで「足りない部分だけを掛け捨ての定期保険や収入保障保険で補う」という考え方が、保険料を抑えながら必要な保障を確保する基本パターンです。

はた夫はた夫
団信・遺族年金・配偶者の収入を全部足してから「足りない分だけ」を保険で補う、って発想が大事なんだね。

保険と資産形成を分けて考える

貯蓄型保険(終身保険など)は、保障と貯蓄が一体になっている分、手数料構造が見えにくく、途中解約すると元本割れするケースも多い商品です。一方で掛け捨ての定期保険や収入保障保険は保険料が割安で、保障だけをシンプルに確保できます。浮いた分を新NISAやiDeCoなどの制度で運用に回すほうが、長期的には資産形成の効率が高くなりやすいという考え方は、多くのファイナンシャルプランナーが共通して指摘するポイントです。

もちろん、貯蓄が苦手な人にとっては「保険で強制的に積み立てる」こと自体に価値がある場合もあります。どちらが正解というより、家計の性格に合わせて「保障」と「貯蓄・投資」の役割を意識的に分けて考えることが重要です。

見直しの進め方:無料相談を使うときの注意点

保険の見直しでは、保険ショップやオンラインのFP相談を利用する人も多いですが、相談先によっては提携している保険会社の商品を優先的に提案される場合があります。1社だけで判断せず、複数の相談窓口や比較サイトで条件を照らし合わせてから決めるのが基本です。相談時には、次の情報を整理して持っていくとスムーズです。

  • 現在加入している保険の証券(保障内容・保険料・契約年)一覧
  • 住宅ローンの残債・団信の保障内容
  • 世帯の年収・貯蓄額
  • 子どもの有無・人数・想定する教育費
らく子らく子
証券を一覧にするだけでも面倒だけど、そこをサボると結局「言われるがまま」になっちゃうのよね。

ライフイベントごとに見直すのが基本

保険は一度決めたら終わりではなく、結婚・住宅購入・出産・転職といったライフイベントのたびに前提が変わります。特に子どもが生まれると、教育費という大きな固定費が発生するため、死亡保障・収入保障の必要額は上振れします。逆に子どもが独立した後は、必要保障額は下がっていくのが一般的です。年々保障額が減っていく「収入保障保険」は、こうしたライフステージの変化と相性がよい設計だとされています。

まとめ

住宅購入は、団信という大きな死亡保障が自動的に付くタイミングであり、保険を整理する絶好の機会です。ポイントを整理すると次の3つになります。

  • 団信・遺族厚生年金・傷病手当金・高額療養費制度など、公的保障をまず把握する
  • 民間保険は「公的保障で足りない部分」だけを掛け捨てで補う設計にする
  • 保障と資産形成(新NISA・iDeCoなど)は役割を分けて考える

まずは今加入している保険の証券を一覧にして、団信の保障額と照らし合わせてみることから始めてみてください。保険は人によって必要な保障額が大きく異なるため、この記事の内容を参考にしつつ、具体的な見直しは必要に応じて専門家にも相談しながら判断することをおすすめします。

出典(2026年7月確認)

  • 公益財団法人 生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」「生命保険は毎月いくら払ってる?」
  • 全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金|給付と手続き」
  • 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」および高額療養費制度2026年8月改正に関する各社まとめ記事
  • 日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」

──以上、愛知県名古屋市の共働き夫婦・はた夫&らく子でした。それではまた、次の記事で!

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