共働き夫婦はiDeCoに2人とも入るべき?判断材料を出典付きで整理【2027年改正】

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共働き夫婦がiDeCoを考えるとき、独身や片働きとは違う論点が出てきます。「2人とも入るべきなのか、それとも1人だけでいいのか」という問題です。

この記事では、判断に必要な材料を出典付きで整理します。掛金の上限、節税の仕組み、2027年に予定されている改正、そしてNISAとの違いまで。数字の根拠を示したうえで、どういう家庭ならどちらが向くのかを考えます。

なお、iDeCoとNISAのどちらを優先すべきかという切り口でさらに掘り下げて整理した記事がこちらです。具体的な判断軸を知りたい方はあわせてご覧ください。

※本記事は一般的な制度情報の整理です。特定の金融商品の推奨ではありません。制度は変更される場合があるため、実行前に最新の公式情報をご確認ください。


らく子らく子
共働きだと「2人分やったら2倍お得」って思っちゃうけど、そんな単純な話なの?
はた夫はた夫
節税の効きは所得で変わるし、掛金は60歳まで動かせない。まず材料を並べて考えよう。

まず押さえる:掛金の上限は働き方で決まる

iDeCoの掛金には上限があり、職業や勤務先の年金制度によって変わります。共働きでも、夫婦それぞれの勤務先の状況で上限が違うことがあります。

会社員の場合、企業年金がない会社員は月2.3万円(年27.6万円)が現行の上限です。勤務先に企業型確定拠出年金や確定給付企業年金がある場合は、上限が下がります。

ここが共働きの最初のチェックポイントです。「夫婦だから2人とも同じ額を入れられる」とは限りません。まずはそれぞれの勤務先の年金制度を確認するところから始まります。

節税の仕組み:効果は「所得」で変わる

iDeCoの最大のメリットは、掛金が全額所得控除になることです。ここで重要なのは、同じ掛金でも所得が高い人ほど節税額が大きくなるという点です。

所得税は累進課税なので、適用される税率が高い人ほど、控除によって減る税額も大きくなります。つまり——

  • 夫婦の所得に差がある場合:所得の高いほうから始めるほうが、同じ掛金でも節税効果は大きい
  • どちらかが時短勤務・扶養内などで所得が低い場合:そもそも控除できる税金が少なく、節税メリットは限定的

「2人分やれば2倍お得」とは限らないのは、この仕組みがあるからです。共働きでも、まず所得の高いほうを優先するという考え方には合理性があります。

最大の制約:60歳まで引き出せない

判断で見落とせないのが、iDeCoは原則として60歳まで引き出せないという点です。

これは制度の欠陥ではなく、老後資金づくりを目的とした制度だからこその設計です。ただし、共働き子育て世帯にとっては重い制約になり得ます。

  • 住宅ローンの返済が始まったばかり
  • 教育費がこれから本格化する
  • どちらかが病気・転職・産休などで働けなくなる可能性がある

こうした時期に「2人分」を上限まで入れると、家計の自由度がかなり下がります。節税額は、そのお金を60歳まで使わずに済む場合にだけ意味を持ちます。

NISAとの違い:どちらを先にするか

iDeCoを考えるとき、必ずセットで比較すべきなのがNISAです。性格がはっきり違います。

iDeCo 新NISA
掛金の所得控除 あり(全額) なし
引き出し 原則60歳まで不可 いつでも可能
投資枠 月あたりの掛金上限で管理 生涯投資枠1,800万円
枠の再利用 売却すれば復活
非課税期間 受取まで 無期限

整理すると、節税の即効性ならiDeCo、資金の自由度ならNISAです。両方できるならどちらもやればよく、順番を決める必要があるなら「引き出せる必要があるか」で分かれます。

2027年1月の改正:掛金上限が大きく変わる

判断材料としてもう一つ重要なのが、2027年1月に予定されているiDeCoの改正です。

項目 現行 2027年1月から(予定)
掛金上限(企業年金のない会社員) 月2.3万円 月6.2万円(約2.7倍)
加入できる年齢 65歳未満 70歳未満

上限が大きく引き上げられ、加入できる年齢も延びます。これは「後から挽回できる余地が広がる」ことを意味します。今すぐ2人分を始めなくても、家計に余裕が出てから本格的に積むという選択肢が現実的になります。

出典(2026年8月時点で確認)

・企業年金のない会社員のiDeCo掛金上限は月2.3万円(年27.6万円)。勤務先の年金制度により上限は変動:会社設立のミチシルベ
・2027年1月の掛金引落分から拠出限度額を引き上げ予定。企業年金のない会社員・役員は月2.3万円→月6.2万円(約2.7倍)。加入可能年齢は65歳未満→70歳未満へ拡大:MONEYIZM/Yahoo!ニュース エキスパート(山崎俊輔)/企業型確定拠出年金 広島
・新NISAの生涯投資枠は1,800万円。非課税保有期間は無期限、売却により投資枠が再利用可能:ダイヤモンドZAi/日本経済新聞
・iDeCoとNISAは併用可能:マネックス証券
※制度は変更される可能性があります。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。

結局、2人とも入るべきか?判断の順番

ここまでの材料を、判断の順番として並べると次のようになります。

  1. 夫婦それぞれの掛金上限を確認する(勤務先の年金制度で変わる)
  2. 所得の高いほうを優先する(同じ掛金でも節税効果が大きい)
  3. 60歳まで動かせなくても家計が回るか確認する(住宅ローン・教育費)
  4. NISAの枠を使い切る見込みがあるか考える(自由度を優先するならNISAが先)
  5. 急ぐ必要があるか判断する(2027年に上限が上がるため、後から積む余地は広がる)

この順で見ていくと、「2人とも上限まで」が最適になる家庭は、実はそれほど多くないことが分かります。まず1人分から、あるいはNISAを先にという結論になる家庭のほうが自然です。

【実体験】我が家は「2人とも入る」どころか、まだ1人も入っていません

ここは正直に書きます。これは我が家の優先順位であって、iDeCoをすすめない話でも、必要ないという話でもありません。

「2人とも入るべきか」という問いに対する我が家の現状は、こうです。

NISAは最大限活用している。でも iDeCo は、まだ1人も始めていない。

年収的には、節税の恩恵はあります

誤解のないように書いておくと、我が家の年収なら、iDeCoを使えば「今の」税金には確実に恩恵があります。そこは分かったうえで、始めていません。

それでも始めていない理由:資金拘束

理由はひとつだけです。

iDeCoは、現金の流動性が著しく低いから。

60歳まで引き出せない。この一点が、我が家にとっては節税メリットを上回るデメリットでした。だからまずはNISAを満額埋めるところからと決めています。NISAなら、いざというときに取り崩せます。

これは住宅ローンの借り方とも一貫しています

我が家は住宅ローンをオーバーローン(諸費用・家具家電まで借入に含める)で組みました。手元の現金をできるだけ減らさないためです。

iDeCoを後回しにしているのも、根っこは同じ考え方です。

手元に、流動性の高い資産を持っておくことが大事。

失業・病気・不意の出費。そういうときに効くのは、節税額ではなくすぐ動かせるお金です。とくに住宅ローンを抱えて、子どもが小さい時期は、想定外の出費が起きやすい時期でもあります。

逆に、こういう家庭は「2人とも」で効きます

我が家がやっていないからといって、iDeCoが不利なわけではありません。むしろ次のような家庭では、2人分の節税インパクトはかなり大きくなります。

  • 手元の現金に十分な余裕がある家庭。資金拘束が家計のリスクにならないなら、デメリットはほぼ消えます
  • 夫婦とも安定した納税額がある家庭。節税は納めている税金があってこそ効きます
  • 老後資金を、生活費とは別の枠で確実に作りたい家庭。「引き出せない」ことが、そのまま強制力として働きます

結局のところ、「2人とも入るべきか」の答えは、節税額の大小ではなく、その家庭がどれだけ現金の余裕を持てているかで決まる——というのが、我が家が出した整理です。

iDeCoとNISAの優先順位そのものはiDeCoをまだやっていない共働き夫婦の話|NISAを優先した理由と2027年1月の改正【出典付き】に、住宅ローンと投資のバランスについての考えは住宅ローンとNISAはどっち優先?共働き夫婦の繰り上げ返済の判断軸【2026年】に書きました。

よくある質問(FAQ)

Q. 夫婦2人分やると節税額は2倍になりますか?
A. なりません。所得控除の効果はそれぞれの所得(適用税率)に応じて変わるため、所得の低いほうは節税メリットが小さくなります。

Q. 専業主婦(主夫)やパートでもiDeCoに入れますか?
A. 加入自体は可能ですが、納めている所得税・住民税が少ないと所得控除のメリットは小さくなります。運用益が非課税というメリットは残るので、目的をどこに置くかで判断が変わります。

Q. iDeCoとNISAは両方できますか?
A. できます。併用は可能です。資金に余裕があるなら両方使うのが基本で、片方を選ぶ必要がある場合に「引き出せる必要があるか」で判断することになります。

Q. 2027年の改正を待つべきですか?
A. 一概には言えません。ただ掛金上限が月6.2万円に上がり、加入年齢も70歳未満まで延びる予定なので、今すぐ始めないと取り返せないという性質は薄れます。家計の状況を優先して判断してよい材料になります。

まとめ

共働き夫婦がiDeCoを「2人とも」やるべきかは、節税額だけでは決まりません。掛金上限は勤務先の年金制度で変わり、節税効果は所得で変わり、そして掛けたお金は60歳まで引き出せません。

判断の軸は「60歳まで動かさなくても家計が回るか」です。ここがクリアできるなら、所得の高いほうから始めるのが合理的。クリアできないなら、引き出せるNISAを先に埋めるという選択肢があります。

2027年1月に掛金上限が月2.3万円から月6.2万円へ引き上げられる予定であることも、判断を助けてくれます。焦って枠を埋めにいくより、家計のフェーズに合わせて始めるほうが現実的です。

iDeCoとNISAのどちらを優先すべきかの判断軸は、iDeCoをまだやっていない共働き夫婦の話|NISAを優先した理由2027年1月の改正もふまえて解説でさらに詳しく整理しています。


──以上、愛知県名古屋市の共働き夫婦・はた夫&らく子でした。それではまた、次の記事で!

なお節税の順番としては、iDeCoより先に手をつけやすいのがふるさと納税です。手続きが軽いわりに効果が分かりやすく、住宅ローン控除との関係だけ押さえれば失敗しません。上限額の考え方は「ふるさと納税は共働き夫婦でいくらまで?」にまとめました。

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