住宅ローン控除中はNISAと繰り上げ返済どっち?共働き夫婦の併用の考え方【2026年・出典付き】

「住宅ローンがあるうちは、NISAなんてやらない方がいい?」「余ったお金は繰り上げ返済に回すべき?それとも投資?」——住宅ローン控除を受けている共働き世帯がよく迷うポイントです。結論から言うと、NISAと住宅ローン控除は“まったく別の制度”で、併用しても互いに損しません。それどころか、控除期間中はむしろ「繰り上げ返済せずNISA」が有利になりやすいケースがあります。この記事では、その仕組みと判断軸を出典付きで整理します。制度・数値は2026年7月時点で確認したもので、出典は記事末に明記。投資は自己責任で最終判断はご自身で。

らく子らく子
ローンがあるのに投資して大丈夫?って不安になるのよね。
はた夫それが実は、控除の“0.7%”がカギ。仕組みを知ると判断がスッキリするよ。

大前提:NISAと住宅ローン控除は「別々の制度」で干渉しない

まず誤解を解いておきます。両者はまったく別の仕組みです。

  • 住宅ローン控除:年末のローン残高に応じて、所得税・住民税が安くなる(税額控除)制度。
  • NISA:投資で得た利益が非課税になる制度。NISAの利益は課税所得に含まれないため、住宅ローン控除の計算にはいっさい影響しません

つまり「住宅ローン控除を受けているとNISAで損する」ということはありません。両方フルに使えます。「ローンがあるうちは投資しない方がいい」は、多くの場合思い込みです。※ふるさと納税は住民税の枠で一部影響が出ることがありますが、それは別テーマ(記事末の関連記事参照)。

住宅ローン控除のしくみ(ここが判断のカギ)

2022年以降に入居した場合、年末のローン残高 × 0.7% が、最大13年間にわたって所得税・住民税から控除されます(新築の場合)。ポイントは「残高が多いほど控除も多い」という点です。

ここから重要な結論が出ます。繰り上げ返済をすると、ローン残高が減り、控除額も減ってしまうのです。そのため一般には、控除期間(最大13年)はいっぱいまで受けきってから、その後に繰り上げ返済するのが定石とされています。

控除期間中は「繰り上げ返済せずNISA」が有利になりやすい理由

いま多くの人が変動金利0.3〜0.7%前後で借りています。ここで金利と控除率を並べてみます。

項目 数値の目安 意味
住宅ローンの金利(変動) 年0.3〜0.7%前後 払う利息
住宅ローン控除 残高×0.7%(最大13年) 戻ってくる(残高維持で最大化)
差し引きの実質負担 ほぼゼロ〜わずかにプラス 控除期間中は「借りているのに実質ほぼ無利子」に近い状態も
新NISA(全世界株など)の長期リターン 年3〜7%程度とされる(変動あり) 期待値。元本保証はない

つまり控除期間中は「金利 ≦ 控除率0.7%」となり、急いで繰り上げ返済するメリットが小さい。その資金を繰り上げ返済に使うより、ローン残高を維持して控除を最大化しつつ、余剰資金はNISAで運用する方が、長期的には有利になりやすい——というのが、低金利下でよく言われる考え方です。特にまだNISA枠を使い切っていないなら、投資を優先する価値があります。

らく子らく子
控除の0.7%より金利が低いなら、慌てて返す必要はないってことね。

じゃあ、いつ繰り上げ返済に切り替える?

「ずっと投資優先」ではありません。次のようなタイミングでは繰り上げ返済の魅力が増します。

  • 控除期間が終わったあと(14年目〜):控除メリットが消えるので、残高を減らす価値が上がる。
  • 金利が1.0%以上になったとき:金利が控除率0.7%を上回ると、返済で利息を減らすメリットの方が大きくなりやすい(金利上昇局面は要注意)。
  • 「確実さ」を重視したいとき:投資リターンは“期待値”で変動しますが、利息の削減は確実。リスクを取りたくない人は繰り上げ返済が安心。

共働き夫婦ならではのポイント

  • NISA枠は2人分:共働きなら夫婦それぞれが年360万円・合計年720万円(生涯3,600万円)まで非課税で使えます。控除期間中の余剰資金を、2人分の枠で受け止めやすい。
  • ペアローンなら控除も2人分:夫婦それぞれがローンを組んでいれば、住宅ローン控除も各自で受けられます。その分、控除を最大化する“残高維持”の効果も大きい。
  • 生活防衛資金が先:投資に回す前に、生活費の半年〜1年分は現金で確保。これがあると相場が下がっても慌てず続けられます。

注意点(無理はしない)

投資のリターンはあくまで期待値で、短期的にはマイナスになることもあります。一方で、繰り上げ返済による利息削減は確実です。どちらが「絶対正解」ということはなく、金利水準・控除の残り年数・リスク許容度で変わります。大切なのは、切り詰めすぎて続かなくなる配分にしないこと。生活防衛資金を確保したうえで、無理なく続けられる範囲で「控除期間は投資寄り、期間終了後は返済寄り」とゆるく舵を切るのが、共働きには現実的です。

よくある疑問(FAQ)

Q. 住宅ローン控除を受けていると、NISAの利益に税金がかかる?
A. かかりません。NISA口座内の利益は非課税で、住宅ローン控除とは無関係です。両者は別の制度なので、片方がもう片方の枠を削ることもありません。

Q. 繰り上げ返済すると、控除はどれくらい減る?
A. 減った残高×0.7%ぶん、その年以降の控除が減ります。たとえば100万円繰り上げ返済すると、年あたり約7,000円(100万円×0.7%)の控除が、残りの控除年数ぶん失われる計算です。だからこそ控除期間中は慎重に判断します。

Q. ペアローンだと、控除もNISAも2人分になる?
A. はい。住宅ローン控除は夫婦それぞれの残高に応じて各自が受けられ、NISAも各自の枠を持てます。共働きは「控除2人分・非課税枠2人分」を両取りできるのが強みです。

まとめ

  • NISAと住宅ローン控除は別制度で干渉しない。「ローンがあるうちは投資しない方がいい」は誤解。
  • 住宅ローン控除は残高×0.7%・最大13年。繰り上げ返済すると控除も減るので、控除期間中は返済を急がないのが定石。
  • 金利が控除率0.7%を下回る今、控除期間中は「繰り上げ返済せずNISA」が有利になりやすい(NISA枠が余っているなら特に)。
  • 控除終了後・金利1%超・確実性重視なら繰り上げ返済に切り替え。
  • 共働きは2人分のNISA枠・ペアローンの控除を活かせる。生活防衛資金の確保が大前提。

まずは、自分の住宅ローンの「金利」と「控除の残り年数」を確認し、NISA枠がどれだけ余っているかを見てみてください。そこが分かれば、繰り上げ返済と投資の“ちょうどいい配分”が自然と見えてきます。

──以上、愛知県名古屋市の共働き夫婦・はた夫&らく子でした。それではまた、次の記事で!

出典(2026年7月確認)

  • 住宅ローン控除の控除率0.7%・最大13年:国税庁/各金融機関の住宅ローン控除解説
  • 繰り上げ返済と控除の関係・控除期間満了後に繰り上げが定石:ゼロリノベジャーナル/ダイヤモンド不動産研究所/セキスイハイム(共働きの家づくり)
  • 低金利下は繰り上げ返済より投資優先が有利になりうる/金利1%以上は繰り上げ検討:アルファ・ファイナンシャルプランナーズ/Finvoy/NISA攻略ノート
  • 新NISAの非課税枠(年360万円・生涯1,800万円、共働きは2人分):金融庁/各証券会社

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