「共働きで積立NISAを始めたいけど、口座は夫婦で分けるの?まとめるの?そもそも月いくらから?」——結論から先に書きます。①NISA口座は法律上「1人1口座」なので、夫婦の共同名義でまとめる選択肢はそもそも存在しません。選ぶのは「2人とも開設するか、片方だけにするか」の2択です。②2人とも開設すれば、生涯の非課税枠は1,800万円×2=世帯3,600万円まで広がります。③積立額の目安は、総務省の家計調査から逆算すると世帯手取り50万円で月7万円前後。この記事では、金融庁の最新数値、夫婦で口座を分ける・寄せるの比較表、世帯手取り別のモデルケース、そして2027年開始予定の「こどもNISA」まで、すべて出典付きで整理しました。
※本記事は制度の解説であり、特定の金融商品の購入を勧めるものではありません。投資は元本が保証されず、価格変動により損失が生じる可能性があります。制度・数値は2026年9月時点で確認したもので、最終的な判断はご自身の家計状況に合わせて行ってください。
らく子
はた夫大前提:NISA口座は「1人1口座」。夫婦でまとめることはできない
まず、多くの人がつまずくポイントから。金融庁のNISA特設ウェブサイトによると、NISA口座は日本国内に住む18歳以上の人が「1人につき1口座のみ」開設できる制度です(2026年9月確認)。つまり、夫婦の共同名義口座や、家族でひとつにまとめた口座というものは制度上ありません。
ですから「夫婦で分ける?まとめる?」という検索でたどり着いた方が実際に選ぶのは、次の2択になります。
- A:夫婦それぞれがNISA口座を開設して、2人分の枠を使う
- B:どちらか1人だけ開設して、世帯の投資はそこに集約する
なお、Bを選んで「夫の口座に妻のお金を入れる」場合、その資金は原則として贈与にあたります。ただし贈与税には年間110万円の基礎控除があり、その範囲内であれば申告は不要です(国税庁「贈与税の計算と税率(暦年課税)」/2026年9月確認)。共働き家庭が現実的に積み立てる金額なら、この点で困ることはあまりないと思いますが、頭には入れておきたいところです。
【2026年9月確認】新NISAの数値と、夫婦2人分に換算した非課税枠
まずは制度の数字を正確に押さえます。ネット上には旧つみたてNISA(年40万円・20年間)の情報がまだ残っていて混乱しやすいので、2026年9月時点の金融庁の公表内容と、それを夫婦2人分に換算した数値を並べた表を作りました。
| 項目 | 1人あたり | 夫婦2人分 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠(年間) | 120万円 | 240万円 |
| 成長投資枠(年間) | 240万円 | 480万円 |
| 年間投資枠の合計 | 360万円 | 720万円 |
| 生涯非課税限度額(簿価ベース) | 1,800万円 | 3,600万円 |
| うち成長投資枠で使える上限 | 1,200万円 | 2,400万円 |
| 非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
| 口座開設できる期間 | 恒久化 | 恒久化 |
| 開設できる口座数 | 1人1口座 | 2口座(各自の名義) |
| 対象年齢 | 18歳以上(国内居住) | — |
ここで共働き夫婦にとって効いてくるのが、年間投資枠が世帯で720万円、生涯枠が世帯で3,600万円になるという点です。片働き世帯の倍の器を持てるわけで、これは共働きの数少ない構造的なメリットだと思います。
もうひとつ知っておきたいのが、売却した分の非課税枠は「簿価(買ったときの値段)」で、翌年以降に復活するという仕組みです。つまり「今年売って、今年すぐ別の商品を買い直す」というスイッチングはできません。年の途中で商品を乗り換えたくなっても枠は戻らないので、最初の商品選びは少し慎重にいきたいところです。
ちなみに普及状況としては、NISA口座数は2025年12月末時点で約2,826万口座、買付額は累計で約71.4兆円に達しています(金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和7年12月末時点)」。速報値が2026年2月18日、確報値が2026年7月3日に公表され、2026年9月時点でこれが最新の基準時点です)。政府目標は2027年12月末までに3,400万口座なので、成人人口のかなりの割合がすでに開設している計算になります。
夫婦で「2人とも開設」と「片方に寄せる」を比較
では、A(2人とも開設)とB(片方に寄せる)はどう選べばいいのか。制度上のちがいを、共働き目線の観点で並べてみました。
| 観点 | A:夫婦2人とも開設 | B:どちらか1人に寄せる |
|---|---|---|
| 生涯非課税枠 | 3,600万円 | 1,800万円 |
| 年間投資枠 | 720万円 | 360万円 |
| 手間 | 口座2つ・設定2回・確認2回 | 1つで完結。ずぼら向き |
| 収入が途切れたとき | 働いている側だけ継続し、片方は一時停止して調整できる | 家計全体を1本の設定で調整する |
| 名義人が亡くなった場合 | もう片方の口座はそのまま非課税で継続できる | NISAの非課税は終了し、相続人の課税口座へ払い出される |
| 資金の出どころ | それぞれの収入から積み立てれば論点なし | 配偶者の資金を入れる場合は贈与の扱いに注意(年110万円の基礎控除内なら申告不要) |
| 離婚・別居時 | 名義ごとに資産が分かれていて所在が明確 | 名義人に資産が集中する |
| 向いていると思う家庭 | 世帯で月5万円以上積み立てられる/2人とも就労が続く見込み | 積立額が月3万円以下/とにかく管理の手間を減らしたい |
表のなかで見落とされがちなのが「名義人が亡くなった場合」の行です。NISA口座は名義人の死亡時点で非課税の扱いが終わり、NISA口座のまま相続人へ引き継ぐことはできません。中身は相続人の課税口座(特定口座など)へ払い出されます。世帯の資産を1人の名義に集中させておくと、そのタイミングで世帯の非課税資産がまるごと課税口座に移ることになります。夫婦2人に分けておけば、少なくとも片方は非課税のまま残ります。
結論として、共働きで2人とも収入がある家庭なら、基本はA(2人とも開設)が素直だと考えます。ただし「口座を2つ管理するのが本当にしんどい」という場合に、無理をしてまでAにする必要はありません。月3万円の積立なら1人分の枠でも30年で1,080万円ですから、1,800万円の枠は当分埋まりません。枠を使い切ることが目的ではないので、そこは割り切っていいと思います。
はた夫
らく子世帯手取り別・積立額のモデルケース(家計調査から逆算)
ここが一番知りたいところだと思うので、公的統計から目安をつくります。使うのは総務省「家計調査年報」2025年(令和7年)のデータです。世帯主が60歳未満・夫婦と未婚の子ども1人という核家族の勤労者世帯について、共働きと片働きの家計を比べた数値がこちらです。
| 1か月あたり | 夫のみ有業 | 夫婦共働き | 差 |
|---|---|---|---|
| 実収入 | 620,467円 | 734,116円 | +113,649円 |
| 消費支出 | 340,391円 | 360,798円 | +20,407円 |
| 非消費支出(税・社会保険料) | 118,505円 | 143,097円 | +24,592円 |
| 可処分所得(手取り) | 501,962円 | 591,019円 | +89,057円 |
| 黒字 | 161,570円 | 230,221円 | +68,651円 |
| 黒字率(黒字÷可処分所得) | 32.2% | 39.0% | +6.8pt |
共働き世帯は手取りが約8.9万円多く、黒字は約6.9万円多い。収入が増えた分をそのまま使ってしまうのではなく、黒字率が32.2%→39.0%と6.8ポイント高いのが共働きの平均像です。ここは素直に希望が持てる数字だと思います。
ただし、この「黒字」をそのまま投資に回せるわけではありません。家計調査の黒字には住宅ローンの元本返済(土地家屋借金返済)も含まれます。持ち家でローンを返済中なら、まずそこが引かれます。さらに、急な出費に備える生活防衛資金や、教育費・車の買い替え・住宅の修繕といった「5〜10年以内に現金で使うお金」も差し引く必要があります。
これらを踏まえて、モデルケースとして試算したのが次の表です。共働き世帯の黒字率39.0%を当てはめ、そこから住宅ローン元本返済と現金貯蓄を引き、残りを端数を切り下げて積立NISAの目安としています。
| 世帯の手取り月収 | 黒字の目安 (×39.0%) |
住宅ローン 元本返済の想定 |
現金で貯める分 (教育・車・修繕) |
積立NISAの目安 (夫婦合計) |
配分例 |
|---|---|---|---|---|---|
| 40万円 | 約15.6万円 | 6.0万円 | 4.0万円 | 月5.0万円 | 夫3.0+妻2.0 |
| 50万円 | 約19.5万円 | 7.0万円 | 5.0万円 | 月7.0万円 | 夫4.0+妻3.0 |
| 59万円(共働きの平均) | 約23.0万円 | 8.0万円 | 6.0万円 | 月9.0万円 | 夫5.0+妻4.0 |
| 70万円 | 約27.3万円 | 9.0万円 | 8.0万円 | 月10.0万円 | 夫5.0+妻5.0 |
この表の見方でひとつだけ強調しておきたいのが、「賃貸で家賃を払っている世帯は、住宅ローン元本返済の列がない代わりに、消費支出のほうに家賃が入っている」という点です。家計調査の消費支出には家賃が含まれるので、賃貸世帯はこの列をゼロにするのではなく、そのまま表を使ってください。
もうひとつ。つみたて投資枠は年120万円=月10万円が1人あたりの上限です。上の表の一番下(世帯手取り70万円・月10万円)でも、夫婦で5万円ずつなら2人ともまだ枠に余裕があります。つまり共働き家庭の大半は、つみたて投資枠だけで足りるということです。成長投資枠まで意識しなくていいので、その点は気楽に構えていいと思います。
なお、夫婦合計で月9万円を積み立てた場合、2人分の生涯枠3,600万円を使い切るには単純計算で約33年かかります。枠を埋めることをゴールにすると続きません。使い切れないのが普通、というくらいの感覚がちょうどいいと考えます。ボーナスをどう扱うかはボーナスの使い道は?共働き夫婦が繰り上げ返済より優先したこと【2026年】で別途整理しています。
積立額を決める前に、固定費を3つだけ見直す
「毎月いくら回せるか」は、節約を頑張って捻出するものではなく、固定費を1回だけ見直して自動的に浮かせるのが現実的です。共働きは忙しいので、効果が大きい順に3つだけに絞ります。
- ①通信費:夫婦2回線で大手キャリアのままなら、格安SIMや各社の低容量プランに変えるだけで月数千円単位の差になります。1回の手続きで永続的に効くので、時給換算での効率が最も良い部類です。
- ②保険:住宅ローンを組んでいる場合、団体信用生命保険(団信)で死亡保障がすでに確保されているケースがあります。加入中の生命保険と保障が重複していないかを確認したいところです。詳しくは住宅購入で保険を見直すなら?団信・傷病手当金・高額療養費制度でわかる必要保障額にまとめています。
- ③住宅ローン金利:借入額が大きいぶん、金利差の影響も大きい項目です。ただし借り換えには諸費用がかかるので、費用込みで得かどうかの計算が必要です。
逆に、食費や日用品を切り詰めるタイプの節約は、手間のわりに効果が小さく、共働きだと続きません。「1回やれば以後ずっと効く固定費」から手を付けるのがコスパの良い順番ではないでしょうか。
2027年開始予定の「こどもNISA」も先に知っておく
子育て中の共働き世帯にとって、いま押さえておきたい最新の動きがこれです。金融庁の「令和8年度税制改正について(税制改正大綱における金融庁関係の主要項目)」(2025年12月公表)で、18歳未満もつみたて投資枠を利用できるようにする改正が盛り込まれました。通称「こどもNISA」と呼ばれています。
| 項目 | 内容(2026年9月時点で公表されている範囲) |
|---|---|
| 開始時期 | 2027年1月以降 |
| 対象年齢 | 0歳〜17歳 |
| 使える枠 | つみたて投資枠のみ(成長投資枠は対象外) |
| 年間投資枠 | 60万円 |
| 非課税保有限度額 | 600万円 |
| 払出し | 12歳以降は可能。資金の使途が子のためであること、子が払出しに同意した書面を添えて親権者等が金融機関へ申出書を提出することが要件 |
| 18歳になったら | 18歳以上向けのNISA制度へ自動的に移行 |
2023年末で廃止された旧「ジュニアNISA」は、18歳まで原則払い出せないという使いにくさから利用が伸びませんでした。今回は12歳以降なら条件付きで払い出せる設計になっているのが大きな違いです。とはいえ「子のための使途であること」「子の同意書面」という要件があるので、親の都合で自由に引き出せるものではありません。
共働き目線での実務的な受け止めとしては、まず2027年を待たずに親2人の口座を先に動かしておくのが順番として自然だと思います。親の枠だけで世帯3,600万円あり、そこが埋まっていない段階で子ども名義を急ぐ必要は薄いからです。同じく2027年に改正が予定されているiDeCoとの兼ね合いは、iDeCoをまだやっていない共働き夫婦の話|NISAを優先した理由2027年1月の改正もふまえて解説で整理しています。
共働き夫婦の積立NISAの始め方【5ステップ】
ここまでを踏まえた、実際の手順です。銀行や証券会社の公式サイトにある手順解説と重複する部分は最小限にして、共働きだからこそ迷いやすいところに絞って書きます。
ステップ1:毎月いくら回せるかを、2人で1回だけ決める
上のモデルケース表を使って、世帯の手取り月収から積立額の目安を出します。ここで大事なのは「多めに設定して途中でやめる」より「少なめで長く続ける」ほうが結果的に強いということ。迷ったら表の金額より1万円少なくして始めるくらいでも十分です。
ステップ2:生活防衛資金を現金で確保してから始める
暴落したタイミングで生活費が足りず売却する、というのが最悪のパターンです。共働きは収入源が2つあるぶん、片方が止まっても即座に詰まりにくいので、生活費の3〜6か月分を目安に現金で置いておけば十分だと考えます。片働きに比べて必要額を抑えられるのは、共働きの隠れたメリットです。
ステップ3:夫婦それぞれ証券口座+NISA口座を開設する
NISA口座は1人1口座なので、2人とも開設する場合はそれぞれ手続きが必要です。必要になるのはマイナンバー確認書類と本人確認書類。NISA口座は税務署への確認が入るため、申込みから使えるようになるまで数日〜数週間かかることがあります。「今月から」と思っても間に合わないことがあるので、早めに動くのがおすすめです。なお金融機関は夫婦で同じでも別でも構いません。同じにすればログイン先が1つで済み、共働きの管理コストは下がります。
ステップ4:つみたて投資枠で商品を選び、積立を設定する
つみたて投資枠の対象商品は、金融庁が定めた基準を満たす投資信託等に限定されています(信託期間20年以上、毎月分配型でない、デリバティブ取引を用いていない等)。そもそも対象商品の時点で一定の絞り込みがかかっているので、ここで悩みすぎる必要はありません。あとは信託報酬(保有中ずっとかかるコスト)が低いものを選ぶ、が基本の考え方です。クレジットカードでの積立に対応している証券会社もありますが、還元率や条件の変更が頻繁なので、開設時に必ず各社の公式ページで最新条件を確認してください。
ステップ5:年1回だけ見直す
設定したら、あとは基本ほったらかしで構いません。見直すのは昇給・転職・産休育休・住宅購入といったライフイベントがあったときと、年1回の棚卸しくらいで十分です。毎日値動きを見るのは、時間の使い方としてコスパが悪いと思います。住宅ローンを抱えながらの配分は住宅ローンとNISA、共働き夫婦はどう両立する?新NISA枠と繰り上げ返済の判断軸もあわせてどうぞ。
【実体験】遠回りして、結局オルカン1本に戻った話
ここは我が家の失敗も含めた実際の話です。特定の商品をすすめるものではありません。
使っているのは楽天証券。中身はS&P500とオルカン
我が家は楽天証券を使っています。積立の中身は、基本的にS&P500とオール・カントリー(オルカン)の2本です。
最初の1〜2年は、余剰資金であれこれ買っていました
正直に書くと、最初の1〜2年は余剰資金でいろいろ試していました。
- インドの投資信託
- 米国債券
- 日本の個別株
結果はどうだったか。
結局、S&P500に成績はぼろ負けしました。
やめた理由は、成績だけではありません
負けたことより効いたのは、別の2つでした。
- 管理の手間。本数が増えるほど、見るもの・考えることが増えます。共働きでこれは重い
- 落ち着かない。個別株や特定の国に寄せると、値動きが気になります。日常の集中力を削られます
そこで余剰資金もすべてオルカンに寄せました。
いまのやり方:余剰資金のオルカンを取り崩して、NISA枠を埋める
現在は、こう回しています。
余剰資金で買ったオルカンを少しずつ取り崩しながら、NISAの枠を埋めていく。
課税口座にある分を、非課税の枠に移し替えていくイメージです。NISAは最大限活用するという方針なので、まずは枠を埋めることを優先しています。
この遠回りから学んだこと
「分散したつもり」で本数を増やすと、手間と気疲れが増えるわりに、成績はついてこないことがある——これが我が家の実感です。
もちろん、これは我が家が試した数年間の結果にすぎません。相場の局面が違えば結論も変わりますし、過去の成績は将来を約束しません。投資には元本割れのリスクがあります。
それでも、共働きで時間がない家庭にとっては「手間が少ないこと」自体が価値になるという点は、多くの人に当てはまるのではないかと思っています。
なお、我が家がiDeCoをまだ使っていない理由はiDeCoをまだやっていない共働き夫婦の話|NISAを優先した理由と2027年1月の改正【出典付き】に、住宅ローンと投資の優先順位についての考えは住宅ローンとNISAはどっち優先?共働き夫婦の繰り上げ返済の判断軸【2026年】に書きました。
よくある質問(FAQ)
Q1. 夫婦でNISA口座をひとつにまとめることはできますか?
できません。金融庁のNISA特設ウェブサイトのとおり、NISA口座は1人につき1口座で、共同名義の口座は制度上ありません。選べるのは「2人とも開設する」か「片方だけ開設する」かの2択です(2026年9月確認)。
Q2. 専業主婦(主夫)や、収入の少ないパート勤務でもNISA口座は作れますか?
作れます。NISA口座の開設要件は「日本国内に住む18歳以上であること」で、収入の有無や金額は要件になっていません。ただし配偶者から資金をもらって積み立てる場合は贈与の扱いになるため、年間110万円の基礎控除の範囲を意識しておくと安心です。
Q3. 産休・育休中は積立をやめたほうがいいですか?
一律にやめる必要はありませんが、無理は禁物です。NISAは所得控除の制度ではないので、収入が下がっても税制上の不利は生じません(この点はiDeCoと大きく異なります)。積立額の減額や一時停止はいつでもできるので、やめるより「減らして続ける」ほうが再開のハードルは低いと考えます。
Q4. 夫婦で別々の証券会社にしたほうがいいですか?
制度上はどちらでも構いません。管理の手間を減らしたいなら同じ会社、それぞれのポイント経済圏やクレジットカードを活かしたいなら別々、という選び方が現実的だと思います。共働きで時間がない前提なら、同じ会社にそろえるほうが続けやすいのではないでしょうか。
Q5. 途中で商品を変えたくなったら、すぐ乗り換えられますか?
すぐには乗り換えられません。売却した分の非課税枠が復活するのは簿価ベースで翌年以降です。そのため、年の途中で売って同じ年に買い直すと、その分の枠を使えないまま年をまたぐことになります。積立の「今後の買付先」だけを別の商品に変更するのは即座にできるので、まずはそちらを検討するのが無難です。
Q6. 積立NISAとふるさと納税や住宅ローン控除は併用できますか?
併用できます。NISAは所得控除の制度ではないため、ふるさと納税の控除上限額や住宅ローン控除の計算には影響しません。ただしふるさと納税の上限額は夫婦それぞれの年収で決まるので、名義の考え方には注意が必要です。詳しくはふるさと納税と住宅ローン控除は併用できる?共働き夫婦が1年目に損しないやり方をご覧ください。
まとめ:共働きの積立NISAは「2人分の器」を先に確保する
最後に要点を整理します。
- NISA口座は1人1口座。夫婦でまとめる選択肢はなく、選ぶのは「2人とも開設」か「片方に寄せる」かの2択(金融庁・2026年9月確認)
- 2人とも開設すれば年間720万円・生涯3,600万円の非課税枠。共働きなら基本はこちらが素直
- 積立額の目安は、家計調査年報2025の共働き世帯の黒字率39.0%から逆算して、世帯手取り40万円で月5万円、50万円で月7万円、59万円で月9万円あたり(モデルケースとしての試算)
- つみたて投資枠は1人月10万円まで。共働き家庭の大半はつみたて投資枠だけで足りる
- 2027年1月からはこどもNISA(年60万円・限度額600万円)が始まる予定。ただし親の枠が先
次にとる行動としておすすめしたいのは、今日のうちに「世帯の手取り月収」だけ確認して、上のモデルケース表で自分の行を見つけることです。金額さえ決まれば、口座開設は書類をそろえるだけの作業になります。器を先に2人分確保しておけば、あとは家計に合わせて出し入れするだけ。共働きの忙しさとは相性のいいやり方だと思います。
出典(2026年9月確認)
- 金融庁「NISAを知る:NISA特設ウェブサイト」(年間投資枠・非課税保有限度額・1人1口座・対象年齢・対象商品)
- 金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和7年12月末時点)」速報値2026年2月18日公表・確報値2026年7月3日公表(口座数・買付額)
- 金融庁「令和8(2026)年度税制改正について -税制改正大綱における金融庁関係の主要項目-」2025年12月(18歳未満のつみたて投資枠=こどもNISA、つみたて投資枠の対象商品拡充)
- 総務省統計局「家計調査年報」2025年(令和7年)(世帯主60歳未満・夫婦と未婚の子1人の勤労者世帯の実収入・消費支出・非消費支出・黒字)
- 国税庁「贈与税の計算と税率(暦年課税)」(基礎控除110万円)
- 三菱UFJ eスマート証券「2026年のNISAの制度改正で何が変わる?」2026年4月(こどもNISAの払出し要件・18歳到達時の移行)
※本記事は2026年9月時点で公表されている情報にもとづく一般的な解説です。制度の詳細は今後の法令・各金融機関の取扱いにより変わる可能性があります。投資判断はご自身の責任で行い、個別の税務相談は税理士・所轄の税務署にご確認ください。
──以上、愛知県名古屋市の共働き夫婦・はた夫&らく子でした。それではまた、次の記事で!


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